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外壁塗装の色の選び方2 色褪せしやすい色、しにくい色
色褪せしにくい色で外壁塗装したいという方へ
ほとんどの方がこれまでに「古びて見える」、「かなりの使用感がある」、「年季が入っているように見える」というお住まいや建物を見たことがあると思います。
では、そのように感じた理由は何でしょうか。分かりやすい一つの例が建物の周りやお庭に雑草が生い茂り、草ぼうぼうというパターンです。
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外壁塗装関連のサイトですので、雑草についての詳しい説明は省きますが、雑草が生い茂ってしまうというのは防犯の上で大問題ですし(誰も住んでいないと見なされます)、建物にとっても良くありません。
次の例が塀や門を含めた建物全体の汚れです。塀や門、建物の汚れは清掃によってある程度、落とすことができます。しかし、古くなってくると汚れも落ちにくくなってきますから、汚れていると古さや使用感を感じてしまうのです。
古さを感じさせる最も顕著な例が、塀や門、建物などの色褪せです。色褪せは清掃によって取り除くことはできません。
車などではその部分を削り落とすという磨き方もありますが、建物やお住まいでは一般的ではありませんし、それができる部分もごく一部に限られます。外壁などの色褪せはどうしても避けられないものなのです。
そもそもどうして色褪せは起こるのでしょうか。
色褪せは褪色とも呼ばれます。また、「色が褪(さ)める」とも言います。熱を帯びたように濃かった色が温度の冷めたように薄くなるということなのでしょうか。素敵な表現ですね。
そもそも色褪せは外壁塗装だけじゃなく、さまざまなものに起こりえます。衣食住に関するものでしたら、お部屋のカーテンや衣服、車などの耐久消費財にも起こります。
クラシックカーといかないまでも結構な年代物の名車ではピカピカでも新車当時の白からあめ色に変化しているというものもありますよね。
一般の方では気付くことはほとんどないでしょうが、釉薬瓦も色落ちします。重なっている部分の下のところの色が濃いということがあるのです。
最近では技術が進歩し、いずれのものも昔に較べれば、外壁塗装も車も衣服もかなり色褪せしにくくなりました。では、どうして褪色や色が褪めてしまうのでしょうか。やはり、これには自然の力が大きく関係しています。
自然の力の中でも最も影響が大きいのは太陽光で、その中でも一番の原因となっているのが紫外線です。光によって届けられる熱エネルギーも関係しているほか、風雨による物理的影響や酸性雨も無視できません。
色褪せの原因は主に2つ
(1)顔料の色素の結合が切断されてしまう
ダイヤスーパーセランシリーズの塗膜のところでも触れましたが、同じ元素であっても、違う元素であっても、世の中の全てのものは原子同士が結びつき、物質を構成しています。
塗料の色の元は顔料ですが、こちらも原子同士の結合で構成されています。これら原子同士の結びつきの強さは結合エネルギーによって示すことができ、この結合エネルギーを上回るエネルギーを受けるとそれが破壊されてしまうのです。
例を挙げると窒素元素「N」は窒素元素同士の結合が弱く、切断されやすい傾向があります。
これは単純に窒素が弱いというわけではなく、あくまでも窒素元素同士の結合が弱いだけであって、銅「Cu」を中心とした結合の場合は非常に結合エネルギーが高く、なかなか切断されません。
色素の結合の切断は主に太陽光の紫外線によって引き起こされます。
(2)化学変化で他の物質に変化してしまう
化学変化で身近な物と言えば酸化でしょう。よく見られる鉄の錆は鉄の酸化であって、それに伴い、鉄は酸化鉄という別の物質になり、色も赤(赤錆)や黒(黒錆)へと変わります。
先程、出てきた銅は酸化銅になると緑青という色へと変わります。化学変化に伴い、色も変化するわけですから、これまでとは違った色に変わるのは当然なのです。
化学変化は酸素や水によって引き起こされますが、熱によっても促進されます。日光によって届けられる熱も化学変化を一部、促進させているのです。
太陽光による色素の切断も、化学変化も、絶対に避けることはできません。
コート材などを塗布することによって進行を遅くすることはできますが、それでもいつかは色褪せしてしまうのです。
必ず褪色してしまうのであれば、その宿命を受け入れて、色褪せしやすい色を裂けて、色褪せしにくい色を選ぶべきではないでしょうか。
色褪せしやすい色と色褪せしにくい色を知っておけば、外壁塗装だけでなく、衣類選びや身の回りのものを購入する時も絶対に役に立つでしょう。それでは、色褪せしやすい色と色褪せしにくい色の代表をご紹介します。
1位 赤
赤色を出す顔料は数種類あるのだが、いずれも耐光性は高くない。東京タワーの紅白模様の赤(正式名称はインターナショナルオレンジ、航空法と航空法施行規則で最上部から黄赤と白の順に交互に帯状に塗装することと定められている)に使われていることから、それなりに耐久性がありそうだが塩害などの影響もあり、実は5年に1回程度の塗り替えが行われている。
2位 黄
色褪せが一番早く起こると言われている色の一つ。赤色と黄色の共通点はどの顔料であっても、窒素元素同士が結合している部分が多く、それが紫外線によって切断されてしまうため、他の色よりも褪色が早い。
同系統の色である黄土色は色褪せしにくいという特徴を持っているのは化学の不思議でもある。
3位 紫
自動車業界では赤の次に褪色しやすいと言われている。紫と言っても、それが赤みの多い紫なのか、青みの多い紫なのかで、当然、色褪せの進行度も違ってくる。
もちろん、赤みの多い紫の方が褪色の進行は早い。人によって、紫と青の判断基準の境界が曖昧なので3位とした。
これらの原色で商業施設などでもない限り、これらの原色で外壁塗装をする人はまずいないでしょう。景観条例の規制の対象にもなりえます。
黄土色というのは外壁塗装で選ばれやすい色です。「黄土色で外壁塗装しようと思うのだけど、黄色は色褪せしやすいって聞くし、心配」と思っていた方、不安が解消されたのではないでしょうか。
1位 白
顔料として使われる酸化チタンは無機顔料なので、色素の結合を切断されにくく、化学変化も起こりにくい。しかし、汚れが目立ちやすいという弱点もある。
また、白が外壁塗装で長寿命かというと、ある理由からそうではない。
2位 黒
顔料の原料であるカーボンブラックは非常に強固な炭素結合を誇り、光に分解されないという性質を持っている。
こちらも汚れが目立ちやすいという弱点を抱えているだけでなく、ピアノブラックなどの艶有りでは光沢とセットになっているため、艶がなくなってしまうと、一気に色褪せたように見える。
3位 青
近年のIT企業のコーポレートカラーに多用されている色の一つ。元素同士の結合が耐光性に優れており、色褪せしにくい。IT企業のコーポレートカラーに多用されている理由は青色の持つイメージが「知的」ということだそうだが、一歩進めて考えると「永遠の知」という象徴なのかもしれない。
これで色褪せしにくい色が分かりましたが、ここで完結ではありません。白と黒には「汚れやすい」という共通点がある上、白色は『外壁塗装で長寿命かというと、ある理由からそうではない』、黒色は『光沢とセットになっているため、艶がなくなってしまうと、一気に色褪せたように見える』と触れています(真っ黒で外壁塗装する人はいないと思いますが)。
外壁塗装の色褪せは色素の結合力だけでは決まらないのです。顔料(色素)とセットになっている塗膜(樹脂膜)のことも考慮に入れなくてはなりません。塗膜(アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素など)を含めた上で再考慮してみます。
汚れやすい以外で白色が外壁塗装に向かない理由
顔料に使われている酸化チタンが塗膜を破壊してしまう
酸化チタン自体は無機で変質しないのですが、触媒としての性質を持っており、光に当たると塗膜を破壊するラジカルを発生します。この触媒としての性質をうまく理由したのが光触媒塗料で、こちらは汚れを分解します。
破壊されていないツルツルの塗膜とラジカルで破壊されたザラザラの塗膜、どちらが色褪せて見えるかは言うまでもないですよね。
近年ではこのラジカルを発生させないよう、ラジカル制御型の塗料も流通しています。
この酸化チタン、白色の塗料のみに含まれているわけではなく、発色性を良くしたり、色褪せを抑えるために他の色にも配合されています。塗膜の破壊が白色のみに起こりえるということではありません。
汚れやすい以外で黒色が外壁塗装に向かない理由
艶は黒色の色素と別物&カーボンブラックは温度が上がりやすい
艶なしのマットな仕上がりがお好みなら問題ないのですが、高級感溢れる黒色というとどうしても光沢や艶とセットで語られます。
黒の色素と光沢の元となる材料は全くの別物です。黒色の顔料の耐光性は高いのですが、光沢と艶の顔料はそこまで耐久性はありません。
黒色の顔料が変化しなくても、艶が引けてしまえば色褪せて見えます。
また、カーボンブラックは熱の元となる赤外線を大変、吸収しやすく、温度の上昇も他の色より高くなります。
温度の上昇は化学変化を早めるため、色褪せや塗膜の劣化も促進します。